漫画「ONE PIECE」の空島編を知っていますか?
この空島編では海賊であるルフィたちが、海ではなく空を冒険するという作品内でも一風変わったエピソードで、一気にまとめ読みするととても面白いです。
また2018年の8月25日(土)の21時~に土曜プレミアムで「ワンピース エピソードオブ 空島」がアニメで放送されることが決まりました。
あの空島編を2時間でまとめると一体どんな風になるのでしょうか。
そこで今回はONE PIECEの空島編の魅力について紹介していきたいと思います。
目次
空島編とは
ONE PIECEのあらすじは、ロジャーが残したひとつなぎの大秘宝であるワンピースを追い求めて主人公のルフィが海賊王を目指すというものです。
空島編はルフィたちが砂漠の国であるアラバスタから出航したところから始まります。
急に上空から船の残骸が降ってきて記録指針(ログポースと読み、船の行き先を示すアイテム)が上向きを指すようになってしまいました。
記録指針が壊れてしまったわけではなく、空に島があるため指針は上を指しているらしいのです。
ルフィたちは空島を目指すために情報を集めることになるのですが…というのが空島編のざっくりとしたあらすじです。
前のアラバスタ編では戦争をテーマとした少し重いエピソードでしたが、この空島編は冒険ものらしく謎を解き明かしたりロマンを追い求めることをテーマにしたエピソードとなっています。
原作漫画で24巻から32巻までが空島編のエピソードになります。
冒険ものが大好きな方はぜひ読んでみてください。
実は賛否両論あり
この空島編ですが実はファンの間では賛否両論あって、いくつかの問題点が指摘されています。
それでは1つずつ見ていきましょう。
誰も仲間にならない
ONE PIECEと言えば行く島々で仲間を増やしていってというイメージがありますよね。
アラバスタ編までは1つのエピソードが終わるたびに仲間が増えていってという感じでしたが、空島編では誰も仲間になりませんでしたね。
一応珍獣の島(ガイモンっていう宝箱にはまったおっさんがいた島)とローグタウン、リトルガーデンでも仲間は増えていません。
しかし空島編はそこそこ長く、空島出身のキャラが仲間に加わるだろうという予想があったにも関わらず、仲間が増えることはありませんでした。
ONE PIECEの人気の理由の1つに魅力的な仲間の存在が挙げられるので、仲間が増えなかったのはファンにとっては残念だったかもしれませんね。
寄り道的な印象がある
ルフィ達は偉大なる航路(グランドライン)の最終地点であるラフテルを目指して旅をしているわけですから、空に行くというのは寄り道という感じがします。
空島にいる間はメインのストーリーが進んでいないと思われて、読むのを一時的にやめてしまったという人がいても仕方ありません。
また空島編では世界観もガラッと変わったので違和感を覚えた人もいると思います。
しかし何度も読み返してみるとメインのストーリーのヒントになる要素がいくつか散りばめられており、見方を変えれば寄り道とは言えなくなります。
過去編が長い
空島編には長い過去編があるのですが、主要キャラや敵キャラの過去編というわけではなく、大昔の話になります。
キャラの過去を説明するという一面もありましたが、どちらかと言うと歴史を説明するための話だったと言えます。
物語がすごく盛り上がっているときにその過去編が入ったので、週間連載を追って読んでいた人にとっては長ったらしく退屈に感じたかもしれませんね。
しかし単行本で一気にまとめ読みした人にとっては、長い過去編も一気に読み進めることができるので、非常に完成度の高いエピソードに感じられたのではないでしょうか。
そしてこれがONE PIECEの空島編が面白いかそうでないか意見が分かれる最大の理由だと思われます。
「一気読みでやるなら空島編だろう」口々に人は言う。
エピソードの魅力
いろいろと賛否両論がある空島編ですが、個人的には完成度が高く非常によくできたエピソードだと思っています。
またこのエピソードには冒険ものやバトルものとして面白い要素がたっぷりとつまっています。
それではそんな空島編の魅力について見ていきましょう。
雲の上の世界という未知の冒険
偉大なる航路に入ってから太古のジャングル、雪や砂漠の島などを旅してきました。
それらの世界観は現実でありえないわけではなく、未知の世界を冒険しているという感じはあまりありませんでした。
しかし雲の上にあるとされる空島は現実では絶対にありえません。
そのため空島は一体どんなところなんだろうという期待度がグッと上がっていくわけですね。
しかも多くのキャラが、空島はあくまで伝説で実際には存在しないと言っていたことから、ルフィたちがロマンを追い求めているという雰囲気を感じ取ることができます。
そしてようやく空島にたどり着くと、そこには幻想的な世界が広がっていました。
そこでは青海(地上のこと)とはまったく違う独自の文化があり、雲でできた陸や海があったり、青海では当たり前のように存在する地面が貴重だったりして、空らしい世界観を感じることができます。
この空島の世界観がかなり綿密に作りこまれており、まさに未知の世界を冒険しているという感じが伝わってきます。
敵キャラの強さが未知数
ONE PIECEと言えばバトルですよね。
海賊であれば懸賞金(七武海であれば元懸賞金)でキャラの強さや危険度を表現していましたが、空島のキャラにはそういったものがありません。
一応4人いる神官にはそれぞれ生存率という形でその強さや危険度を表現していますが、青海のキャラと比較することはできません。
空島では懸賞金システムが存在しないため、敵キャラの強さがはっきりわからず未知数になっているのです。
この敵キャラの強さが未知数なのが空島編の面白いところだと思っています。
というのもバトルものは物語が進むにつれて敵キャラの強さがどんどんインフレしてしまいます。
この現象は前の敵キャラよりも強いやつを出していくという流れを繰り返すことで起きてしまいます。
強さのインフレの何が良くないかと言うと、過去の敵キャラの顔が立たなくなるところです。(どんどん強くなるのが面白くなる場合もあるけど)
ONE PIECEはとても長く連載している作品ですが、強さがインフレして過去の敵キャラが弱くなりすぎないような配慮がなされていると感じます。(しかし懸賞金はインフレしていて、この記事を書いてる時点でルフィはなんと懸賞金15億ベリー)
空島編まで主な敵キャラは以下の通りです。
- バギー:ゾロに勝った。ロジャーの船に乗っていたことをバレないようにしていたため懸賞金が低かった?(現在七武海のため元懸賞金1500万ベリー)
- クロ:3年のブランク有。六式の剃並の速度で移動可能。(捕まったことになっていたため元懸賞金1600万ベリー)
- クリーク:ミホークに襲われ、5000人もいた部下の多くをすでに失っていた。(懸賞金1700万ベリー)
- アーロン:海軍に賄賂をわたし悪事を隠蔽していたため実際の懸賞金はもっと高かった?(懸賞金2000万ベリー)
- クロコダイル:七武海になると懸賞金が上がらなくなる。元懸賞金が比較的低いのは早期から目を付けられていた証?(元懸賞金8100万ベリー)
このように過去の敵キャラは万全の状態ではなかったり、実はタダ者ではなかったと考察できる要素が盛り込まれていたりするわけですね。
そして空島の敵キャラは心網(マントラ)という後に見聞色の覇気であることが明らかになる特殊な能力を使うことができます。
つまりルフィたちは一足先に覇気使いと戦っていたことになり、彼らが実はタダ者ではなかったことがわかります。(覇気という単語はジャヤで黒ひげが言及していたので、一応後付ではないと思いますが…)
エネルという絶望感あふれるキャラ
空島編を語る上で欠かせないのがこの男、エネルです。
ゴロゴロの実の能力者で雷人間です。
自然系(ロギア)なので普通の物理攻撃は一切効きません。
一昔前のファンの間ではこのキャラが最強なのではないかという議論が頻繁に行われていました。
攻撃の規模がトップクラス。
超広範囲の心網(見聞色の覇気)とゴロゴロの実を併用することで、スカイピア(空島の国)中の会話を聞くことが可能。
自ら心臓マッサージすることで自己蘇生可能。
ルフィ以外のキャラに圧勝。
以上のことから今でもかなりの強キャラだと言われています。(作者に作中2年前の時点で懸賞金5億以上と言わしめるも、同時に天下は取れないと言われてしまうが…)
空島編ではエネルが強すぎてすさまじいほどの絶望感があります。
ゾロやサンジがまったく歯が立たず、ルフィ以外で一矢報いることができたのはワイパーだけです。
強キャラたちをバッタバッタと倒していく姿はまさに恐怖そのものですね。
また体力や知能も高くゴロゴロの実の能力が効かないルフィに対しても柔軟に対応していました。
リアルタイムで漫画を読んでた人は、ルフィが最後にエネルを倒す展開が待ち遠しくて仕方がない状態になっていたと思います。
こういうのってバトルものの王道ですよね。
まとめ
一気にまとめ読みするなら、空島編が断然オススメです。
このエピソードだけを切り取って、1つの作品にしてもいいくらい完成度が高く、本当によくできていると思います。
メインのストーリーに関わる重要なキャラも多数登場するので読んでおいて損はないと思います。
また興味がある人は今年の夏に放送予定の「ワンピース エピソードオブ 空島」のアニメもぜひチェックしてみてください。