身の周りでよくある現象や効果って実はちゃんとした名前が付けられていることがあります。
中にはそんなやつにも名前があるのか、感じるのは自分だけだと思っていた、などと思うものもあるはずです。
これらは学術的な理由があって言われていることから、特に理由はないが多くの人に知られているというだけの言葉までいろいろなものがあります。
そこで実は名前があった有名な現象や効果について調べてみました。
目次
すべてのものに名前がある
名前のないものって想像できますか?
そう言われてもすぐにパッと思いつきませんよね。
この世にあるほとんどのものにはすでに名前がつけられていると言っても過言ではありません。
普段会話するとき人はものに対して「これ・あれ・それ・そこのやつ」とかって呼ぶ場合が多いです。
こうすることによってものの名前を覚えなくても指定することができます。
わからない名前のものがあったときには「~するやつ」とかって言っておけば通じますもんね。
しかしどんなものにも誰かが付けた名前や語呂が良くて自然に呼ばれるようになった名前があります。
もしよければネーミングのコツについて紹介した以下の記事もぜひご覧ください。
現象や効果にも名前がある
どんなものにも名前があるのはわかりました。
しかしよく起こる現象や効果にもちゃんと名前が付けられています。
それでは有名な現象や効果をいくつか紹介します。
ミーム汚染
簡単に言うとまったく別のものなのに色や形が似ているだけで普段見慣れているものに置き換わって見えてしまうことのことです。
これは文字などにも言えることで、ある文字から想像できるイメージが別のものに置き換わってしまうようなことも意味します。
後述の「ゲシュタルト崩壊」とは少し違います。
「ミーム」というのは遺伝子以外で人間から人間へと伝わっていくもののことを言います。
例えばどんな人でも傘を見ればこれは傘だとわかりますよね。
別にそれは遺伝子に組み込まれた情報から判断しているわけではなく、自分の周りの人間から教えられた常識から判断していますよね。
それゆえに傘は傘と認識できるのですが、傘に非常に良く似たものをいつも見ているような生活をしていると、傘イコール傘という常識がだんだんと置き換わってきて、あるとき傘が普段見ている傘に非常に良く似たものに見えてしまうことがあります。
たぶんこれが「ミーム汚染」です。
人伝いに伝わった情報や常識が置き換えられてしまったんですね。
というか「ミーム」って単語は調べたら結構出てくるのに、「ミーム汚染」はあんまり出てこなかったので、最近使われるようになった言葉みたいな気がします。
ゲシュタルト崩壊
これ系で1番有名なやつです。
文字などの形あるものをずっと見続けていると、その形がよくわからなくなってくる現象のことです。
作品制作をしていて主人公の名前を見続けていて文字の形がよくわからなくなることってありませんか。
また名前じゃなくてもよく出てくる単語の文字の形がわからなくなることは1度や2度はあると思います。
特にかっこいい名前を考えてるときにゲシュタルト崩壊した状態で名前を決めてしまうと、正気に戻ったときに違和感を覚えるかもしれません。
同じものを見続けていると誰にでも起こり得る現象なので、少し休憩するとすぐによくなると思います。
カリギュラ効果
例えば「この箱を絶対に開けてはいけない」って言われるとどう思いますか?
開けるなと言われると開けたくなりませんか?
そんな心理現象のことを「カリギュラ効果」と言います。
創作の世界では絶対に開けてはいけない箱なんてものが登場したら、必ず誰かが開けてしまいますもんね。
過激な内容で公開禁止になった映画のタイトルからそう名づけられたそうです。
ちなみに学術的に言うと「心理的リアクタンス」って言うらしいです。
傍観者効果
事件が起きて野次馬が集まっているときってよくありますよね。
でもたくさんの人がいるにも関わらず、誰も助けを呼んでくれないってこともよくあります。
このことを「傍観者効果」と言います。
たくさん人がいるから自分は何もしなくていいかみたいな考え方に陥ってしまうことです。
物語の世界でもそうですが、少人数の方がグッと行動力が高くなります。
キャラを別行動させると面白くなる理由を書いた以下の記事もぜひご覧ください。
ちなみに集団で作業をしたときに1人1人の作業効率が下がってしまうことを「リンゲルマン効果」と言います。
クロノスタシス
ふと時計の針を見ると秒針が長いこと止まっているように見える錯覚のことです。
時計の針に関わらず、急激な眼球運動の後に見たものはゆっくり動いているように感じられるらしいです。
しかし身近に感じられるものはやっぱり時計の針を見たときですね。アナログの時計がない人はデジタルでもいいので秒が表示されているところを見てみてください。
ほら、なぜか次の秒に進むまで長く感じましたよね。
時間が早く経ってほしくてチラチラ時計を見ていると本当によくある現象です。
シミュラクラ現象
3つの点が逆三角形の位置に存在すると顔のように見えるという現象です。
「数学」や「なぜならば」を変換すると「∵」という記号を出すことができます。(出ないこともあるかもしれません)
この「∵」って顔に見えませんか?
人間が本能的に顔を認識することができるので、3つの点が逆三角形に配置してあるだけで顔に見えてしまうわけですね。
怖い雰囲気のある場所で「あれ顔に見えない?」って言うと怖いですよね。
でも3つの点が顔に見えるのはこの「シミュラクラ現象」のせいなのです。
スプーナリズム
「誤音転換」のことです。
「なぞはすべてとけた」→「なぞはとべてすけた」みたいなやつのことです。
こんな感じで文字を置き換えて面白い言葉やセリフにする遊びのことです。
実際にこんな感じで言い間違えてしまうことってよくありますよね。
ウィリアム・スプーナーさんっていう大学教授の人がよくこんな感じのいい間違えをしたことから、こう呼ばれるようになったとか。
ジャーギング
これも有名なやつです。
机に突っ伏して椅子に座ったまま居眠りをしてしまうことってありますよね。
そのとき体がビクッってなって目が覚める現象のことです。
疲れているときに起こりやすい現象らしいので、あんまり寝るべきではない場所で寝てしまったときによくこの「ジャーギング」が発生します。
この現象に名前があるということは、どこの世界にも座ったまま居眠りしてしまう人はいるということを示していますね。
マーフィーの法則
これもすごく有名です。
パンを落としたときジャムやマーガリンを塗った方の面が下に落ちるとか、その面が下になって落ちる確率は絨毯の価値に比例するとかみたいなやつです。
USBをパソコンに差し込もうとしたら逆だったみたいなやつもこれです。
失敗する確率があるならそれは起こるということが言いたいわけですね。
特に確率が五分五分のときにこのことを感じやすいと思います。
作り手さんにありがちなことで言えば、いい文章(日本語)を思いついてキーボードを勢い良く入力したときに限ってローマ字入力だったみたいなこととかないですか。
これは日常生活で起こりがちなアクシデントをジョークっぽく言っているだけで、学術的な理由は特にありません。
つり橋効果
恐怖心を持っているときに出会った人に恋愛感情を抱きやすくなるという効果のことです。
この効果は特にホラーのジャンルの作品でよく使われています。
登場するキャラに感情移入させることができたのなら、この効果をさらに発揮しやすいと言えますね。
ストライサンド効果
あることを隠そうとしたにもかかわらず、かえってそのことが注目を集めてしまうことです。
隠そうとすると知りたくなったり、見たくなるのは前述した「カリギュラ効果」にも似ていますね。
作品制作をしていて物語内のある事実をあえて隠そうとすると読み手さんにとっては気になってしまい、それが知られてしまう場合がありますよね。
そういうときはその事実に関して直接触れないほうが良いと思います。
どうしても文章などで直接的に書いてしまうと、ここで書いたことは後で回収するんだなとかがわかってしまうので、バレたくない場合は遠まわしに遠まわしに書いていくと良いかもしれませんね。
まとめ
有名な現象や効果の名前を紹介しました。
調べてみるとこういった現象や効果は数え切れないほどあるみたいですね。
シナリオを制作していて作品内でそういう状況になったときに、その現象や効果の名前をキャラに言わせてみるのも面白いかもしれませんね。
ここで紹介しきれなかったものもまたいつか調べてみたいと思っています。
またよければ思考実験について紹介した以下の記事もぜご覧ください。