漫画やアニメにありがちな過去編や回想編のメリットとデメリット

物語の途中でキャラの回想が入って時間が現在から過去へ移動するという展開は多くの作品で見られると思います。

これは本当によくある手法で「回想編」とか「過去編」などと呼ばれています。

特定のキャラの回想シーンが回想編、特定のキャラが中心じゃない過去のシーンを過去編って呼ぶのでしょうか。

しかしこれは読み手さんにとって賛否両論ある手法で面白いと言われる反面で、長いとかテンポが悪くなるとか言われています。

そこで過去編や回想編と呼ばれる手法のメリットとデメリットについて調べてみました。

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過去回想編のメリット

いろいろ言われているこの手法ですが、多くの作品に使われているだけあってやっぱり面白いと思います。

それではメリットを見ていきます。

キャラクターの過去を説明できる

キャラには当然年齢があります。

例えば20歳だった場合は20年生きてきたわけですから、当然それなりの過去があるわけですね。

これは当たり前のことなんですが、現在の時間には20歳であるこのキャラがいるだけで過去のこのキャラはどこにもいません。

このままだとこのキャラの過去に何があったかわかりませんね。

そこで過去のシーンを入れることでこのキャラが過去にどんなことがあったのかを説明します。

時間がずーっと現在のままだと、過去のキャラはなかなか出てこられないんですよね。

もちろん過去回想編には行かずに、キャラ自身に過去のことを喋らせたり他のキャラに説明させるだけでもいいんですけどね。

主要キャラならガンガン過去回想編入れてしまう方が面白いと個人的には思います。

ノスタルジックな感情を抱かせる

物語である出来事が起きたとして、その出来事を起こすことを10年前から計画していたキャラがいたとすれば少し感慨深くなりませんか?

10年ですよ?10歳の小学生が成人式に出られる年齢になるまでの年月をかけていたという風に考えると、その出来事を起こそうとしたキャラは真剣で本気だったんだなと思いませんか?

現実の世界の話をすると、例えば50年前に植えられた木があったとするじゃないですか。

するとその木は50年も前からずっと周りの風景を見続けてきたのだなと感慨深くなりませんか?

50年は半世紀です。そんなに長い間ずっと時の流れを見つめてきたとのだろ思うと何とも言えない気持ちが込み上がってきますよね。

人は長い時間をかけた、またはかかっているというだけで何とも言えない不思議な感情を抱いてしまうものなのです。

そんな長い長い時間の産物を一瞬で手に入れることができる手法が過去回想編なのです。

また過ぎ去った時間のことを思う感情のことをノスタルジアやノスタルジーと言うそうですが、自分には関係ない他者やものの過去に対してもこういった感情を抱くみたいです。

作品内の時間のボリュームを増やせる

過去回想編がまったくないと物語の中で最も古いシーンは物語の最初のシーンになってしまいます。

これは何も悪くありませんが、作品内で経過した時間は物語が始まったシーンから物語が終わったシーンまでで終わりです。

この時間が短すぎてボリュームが足りないなと感じた場合は、過去回想編を適宜はさんでボリュームを増やすことができます。

もちろんそれだけでなく長い時間を経過させたりすることでボリュームを増やすこともできます。

またベタなやり方ですが、最初のシーンを過去から始まらせて、最後のシーンを長い時間が経過した後のシーンで終わらせてもいいかもしれませんね。

このやり方なら作品内で経過した時間が短くても、過去や未来の時間も含めることができるのでボリューム不足には陥りにくいと思います。

作品内で長い時間が経過する展開について以下の記事を書いたのでぜひご覧ください。

長編作品などの世界で1年後または2年後などのように、長い時間が経過する展開ってありますよね。こういった展開は読み手さんを期待させわくわくさせる理由があります。そこで作品内で長い時間が経過する展開が面白い理由を調べてみました。

あと作品自体の長さに比べて作品内でかかった時間が短いと読み手さんは少し違和感を覚えるかもしれません。

例えば有名作品の「アカギ 〜闇に降り立った天才〜」では作品内の一晩が現実で20年近く続き、しかもこの作品自体が同じ作者の別の作品の過去編というのですから驚きですよね。

こういうことは長期連載ものだと仕方がないのかもしれませんが。

過去回想編のデメリット

もちろんメリットだけではありません。

この手法にはデメリットもあります。

それではそのデメリットを見ていきます。

時系列が変わるとややこしく感じる

過去回想編は現在から過去へと時間を移動させる手法です。

時間が変わるたびにそのときの状況などを何らかの形で説明する必要がありますから、この展開が頻繁に発生すると読み手さんはついていけなくなりがちです。

時間を過去へと移動させる場合はできるだけややこしく感じさせないように工夫する必要があります。

例えば複数のキャラの過去回想編を1つにまとめてしまうとか、状況説明が必要ないくらい短くて簡単なシーンにするとかですね。

長いとテンポが悪くなる

これは1番言われてることだと思います。

特に現在の時間で盛り上がってるときに長い長い過去回想編が入るとテンポが悪くなるとよく言われます。

完結した作品を読み進めていく場合はよく作りこまれていて面白いと感じることがありますが、連載ものをリアルタイムで読んでいくことを考えると少しテンポが悪いかもしれませんね。

実際に連載ものを追いながら読んだときの評価と、一気読みしたときの評価が違う作品は結構あります。

シナリオ進行のテンポの大切さがよくわかりますね。

もちろんテンポを何よりも最優先してシナリオを考える必要はないと思いますが、大切な要素の1つには変わりないと思います。

過去なので結末が予想できる

過去回想編の弱点ですね。

例えば過去のシーンであるキャラが危険な状態に陥ったとします。

しかしこのシーンはあくまで過去回想編なのでそのキャラが退場してしまうことはありません。

その上で現在の情報からある程度結末が予想できてしまいます。

例えば先ほど紹介した作品の「アカギ」というキャラはすでに未来の姿が描かれたキャラなので、命をかけた勝負において多くの読み手さんは勝つ負けるかではなく、どのようにして勝つのかということに注目しています。

このように現在と過去のシーンでは読み手さんの注目する部分が大きく変わります。

このことを計算に入れた上でシナリオを考えなければいけないのです。

まとめ

過去回想編を入れることにはメリットとデメリットがあります。

キャラの過去を説明したり、過去からの時間経過にノスタルジーを感じさせたり、作品内の経過時間のボリュームを調整できたりするメリットがある一方で、時系列が大きく変わり読み手さんを混乱させたり、テンポが悪くなったり、過去のシーンの結末を容易に予想されてしまったりとデメリットもあります。

ただ面白いと言われる作品にはこの過去回想編が多く用いられており、作品を制作する上で重要な手法だと思います。

こういった作品には過去回想編の悪い部分をなくすために工夫をしていると思われるので、面白い作品を見つけたらそういう部分に注目して読んでみてはいかがでしょうか。